istutは北欧をテーマとしたカフェ。荻窪駅北口から歩いて5分ほどの閑静な住宅街にそのお店はある。北欧カフェといえば、吉祥寺にあるmoiが想い起こされるが、吉祥寺に移転する前は、このお店と同じ荻窪にあった。荻窪には北欧カフェが根付く土壌のようなものがあるのかもしれない。
このお店は夫婦で経営されている。また、実店舗とは別に、北欧の雑貨をオンラインショップで販売されている。
店内は北欧の家具で統一されている。シンプルであることが北欧家具の特徴であるが、店内に配置された家具はまさにそのような家具だった。
店内奥の席に配置されたテーブル。椅子もテーブルの上に置かれた小瓶も北欧のもの。
イストゥットのイス。シンプルであるという共通点はあるが、ひとつひとつ形状が異なっており、見ていて面白い。
こちらはルイスポールセン(Louis Poulsen)という1874年に設立されたデンマークのメーカーが売り出した、PHランプ。デザイナーであるポール・ヘニングセンによって、1926年に世に出たもの。
シナモンロールと「修道僧のお茶」というハーブティーを注文。
シナモンロールは冷めてはいたが、生地には粘りがあり、しっかりとシュガーの甘みが付いていてとても美味しかった。用いられている紺色の皿はイッタラのティーマ。イッタラのいいところは、使い古されても色褪せず、確固とした存在感を保ち続けるところだ。台所には黄色、白、青のティーマがたくさん積み上げられていた。水色の透き通ったハーブティーからは甘い花のような香りがし、仄かな酸味と渋みが調和していた。
道路に面した大きなガラス窓からは道行く人々や車の往来が見渡せる。玄関は常に開け放たれており、開放的だ。遠くの方から微かな風が漂うような感覚を覚える。奥さんと思われる方が玄関の外に出て何か作業をし始めた。それを見つめる旦那さんと思われる方の優しく見守るような眼差しがなんとなく印象的だった。