トムネコゴ

井の頭公園の前に古い3階建てのマンションがある。1階の一室がトムネコゴだ。玄関のドアは開け放たれていて、もう一つ扉が設けられていてそれは閉じられていた。扉には、大きな声で喋らないことという注意書きが。扉を開けて中に入る。木の板が軋む音がする。レコードがかかっている。オレンジ色のランプが仄暗く灯っている。その妖しげな雰囲気に興奮してしまったが、しばらくすると自然とその空間に自身が馴染んでいった。お客さんはそれぞれの席でそれぞれの空間に入り込んでいる様子だった。

お店は古き木製家具で構成されているようだ。本棚には、村上春樹、チェーホフ、暮しの手帖などがあった。暮しの手帖を手に取ってみる。レコードの音楽が静かに流れている。気付くと読書に集中している自分を発見する。

手作りのチーズケーキはスフレのようだ。とても美味しい。松陰神社前のロッタのチーズケーキと系統が似ているかもしれない。

一人の世界に入り込みたい時におすすめのカフェだと感じる。